精肉店で商品を開発したいが、どのような事を考えればよいか?
- 売れないお肉を加工して販売したい。
- 付加価値をつけた値段設定をして、利益を上げたい。
- 在庫を残したくない。
- 生肉で販売する
- 調理直前まで加工し販売する
- 調理済み惣菜を販売する
今回のテーマ
精肉店での商品開発の考え方
✅この記事がお勧めな人
- 精肉店で集客や売上をあげるために商品開発をしたい。
- 精肉店の商品開発をする上で検討することはどんなこと?
- 売れ残りそうなお肉を利用して加工販売したい。
顧客の悩みを考える
忙しい毎日を送る中、時間がない・面倒という理由で自宅調理しない人が増え、生肉の需要が以前より少なくなっています。
お客様は毎日の献立に悩んでおり、献立を考えずに来店する人もいるくらいです。
そこで味付け肉は調理が簡単で、
持って帰ってすぐ食べられるという理由で、調理済みの惣菜は生肉よりも好調な売れ行きです。
加工商品は手間がかかりますが、その分生肉よりも高値で販売することができるので利益率も良くなります。
商品開発とは、どのように生肉に手を加え顧客に買ってもらえるか?だと考えます。
ここでは、精肉店の売上を上げるために、どのような商品を開発していけばよいか、現経営者の考えをまとめてみました。
✅「顧客の悩みに寄添い、解決する商品」を目指していきます
精肉店での商品開発における考え方と販売方法
精肉店で販売する商品開発をする上での基本的な考え方は、
「顧客の悩みに寄添い、解決する商品」を作ることです。
ビジネス用語ではマーケットインやプロダクトアウトなどと言いますが、
マーケットインとは言葉通り需要のありそうな市場の中に放り込む商品を作ること。
プロダクトアウトとは自分のこだわりの商品を作り、ブランディングをしていくことで商品価値を高めていくことです。
私の考える商品開発の「顧客の悩みに寄添い、解決する商品を作ること」はマーケットインに入ります。
お客様は毎日のおかずに悩んでいます。そこで、精肉店としてはお客様の悩みを解決できる精肉店ならではの肉のおかずを提案していきます。
では、実際にどのような商品をどのような意図で開発していくのか説明していきます。
生肉で販売する
精肉店では、陳列している商品をお客様の要望で店員がカットまたはスライスして提供します。
このお客様の要望という点に注視すると、「お客様が献立に使う形に」という事になります。
生肉の販売は献立がすでに決まっている方であればいいのですが、献立に悩んでいるお客様には、どうしたいのか自分でも分からなく要望さえできないので不親切に思われることもあるでしょう。
なので一般的に生肉を販売する際には、紙や貼り紙、口頭でレシピを提示します。
生肉を加工して販売
店内には生肉からの調理法を記載したレシピを掲示していることがりますが、張り紙に気が付かない顧客、押し付けられるのが嫌いな顧客、話が得意でない顧客なども来店します。
そこで生肉を加工して陳列します。
ここでは具体例として「チューリップのから揚げ」を例に、実際にあった体験をもとに解説していきます。
あなたの店舗では骨付き手羽肉を「チューリップ形状」に加工して陳列していますか?
少し加工賃を上乗せし利益率が高く販売できますが、手間がかかるのが難点です。
以前の私の店舗では「チューリップ形状」は陳列していませんでした。
特別、運動会シーズンでもなかったのですが、ある時ふと「チューリップ形状」にして陳列してみました。
すると、普通の手羽肉より値段が高いのに、
あっと言う間に完売してしまいました。
驚いた私は顧客に聞くと、チューリップを購入しようと入店したわけではなかったそうです。
献立が決まっていれば「チューリップにして」と要望できますが、そもそもチューリップのから揚げなどあまり作らない、知らない人は選択肢として上がりません。
しかし、骨付き肉の美味しさ、栄養を提示することにより普段売れない商品も売れるようになるのです。しかも高値です。
「チューリップのから揚げ」は昔なつかしい食べ方として顧客へ紹介でき会話も弾み、顧客と親密になれるチャンスにもなります。
お店への期待が高まれば、再来店してくれる可能性もあります。
個人の精肉店は普段の仕事が手一杯で生肉をそのまま陳列してしまいがちですが、メニューで悩んでいる顧客に生肉購入を促す手法として生肉を加工して販売してみることを検討してみてください。
加工販売の一例
生肉を調理直前まで味付け加工までして販売します。
お客様は火入れするだけの状態になっているので
自宅へ帰るとすぐ調理できるので時間のない方でも簡単に調理できます。
お客様は精肉店の生肉を味付けしているため、肉の質も安心して購入できます。
自宅で少しの調理をすることで家庭で材料を追加してアレンジすることもできますし、出来立て熱々を食卓に出せるようになります。出来合いの惣菜をあまり買わない人に向いていますね。
- 「厚切り肉」や「うす切り肉」をタレで味付けする。
- 「ひき肉」をハンバーグやミートボールにする。
- 「厚切り肉」をトンカツ(生)にする。
- 野菜を使用しロールキャベツ、肉巻き野菜にする。
-
- の場合は、野菜を「買う・切る・味付けする・加工する」なども省けるので大変助かるでしょう。
加工販売の店側の利点としては、陳列している生肉が利用できるという事です。
賞味期限が近くなる前に加工して販売できますので、当日の売れ残りを使用できます。
私の店舗ではロールキャベツが良く売れますが、ロールキャベツはかなり手がかかるため1週間に1度提供できるかどうかになります・・・
✅今後の課題は手間をかけずによく売れる商品を考えることです。
調理済み惣菜で販売する
店で購入し、自宅へ帰ってすぐ食べられる調理済み惣菜は、値段の高い商品ですが一番人気のある商品です。
商品の開発側からすれば一番手がかかりますが、一番高値で販売でき利益率も高い商品となります。
精肉店が惣菜として販売する場合、「お肉屋さんの惣菜はやっぱり美味しい」となるのが望ましいです。
例えば焼き豚を販売する場合、工場で大量生産している商品とは別格にならなければいけません。
健康に害のありそうな添加物などを含まないという点も有利ですが、
上質な肉の食感(柔らかさや肉の甘み)や味付けなどで勝負します。
工場生産の商品は店頭に並ぶまで時間がかかり日持ちするように作っています。
具体的には、工場生産の焼き豚は日持ちするように味付けは甘めで、肉質は硬くまるでハムのようです。
日持ちさせたい場合はこれでよいのかもしれませんが、
個人の精肉店の場合は同じ路線ではなく「出来立てで美味しい」を目指します。
私の店舗では、焼き豚は「和豚もちぶた」という銘柄豚を使用し、
素材を大切に醤油ベースにこだわって作っています。
ありがたいことにこだわりの商品はいつもきてくださるお客様からは大変喜ばれています。
焼き豚や肉惣菜が売れることで「和豚もちぶた」の美味しさを知り、生肉が売れることを期待します。
そのため焼き豚には「当店の銘柄豚使用」と表記しておくと、「お肉屋さんのお肉だから美味しいのね」と思っていただけるでしょう。
- 焼き豚用を煮る、
- ロールキャベツを煮込む
- ハンバーグを焼く
- ミートボールを味付けする
- 生のトンカツは揚げて販売
自宅での揚げ物は油の後片付けも大変面倒なので、揚げ物は店舗で購入する顧客が多いです。
特に焼豚などのブロック肉は高利益商材で作業性も良いので仕事が楽になります。
この「調理済み惣菜で販売する」では、「調理直前まで加工し販売する」での売れ残った商品を利用できます。
✅揚げ物(調理済みのお惣菜)は顧客の悩みを解決します。
まとめ
今回は現経営者の発想で、商品開発をまとめました。
3つのパターンを紹介しました
「調理済み惣菜で販売」すると一番利益率は高くなりますが、一番手間がかかります。
しかし、現状ではすぐ食べたいという要望が多く、高単価な商品でも消費者からすると帰宅後の手間が一番省ける「調理済み惣菜」が一番売れています。
お客様の求めている商品を事前に察知できるようになり
「何にしようか?」ではなく、「今日はあのお店の惣菜にしよう」という店舗になりたいものです。
そして「当店の生肉がこのような惣菜になりました」と惣菜で提案し続け、
最終的には”精肉店の肉”の需要に発展にしていければ最高です。
商売開発の根本は「顧客の悩みを解決する」ことです。
顧客が困っている事を解決する方法が集客や売上向上につながるため、
何よりも顧客(あなたのお客様)のことを考えた商品開発をしてみてください。
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