今度、精肉店を始めることになったんだけど、ぶっちゃけ儲かるの?利益の出し方は?
精肉店はどのくらいの利益がでるのか知りたい!
精肉店の開業を検討している人はどのくらいの利益が見込めるのか、はたして本当に儲かるのかと気になるのではないでしょうか?
✅この記事がお勧めな人
精肉店の開業を検討しているが、利益がどのくらい見込めるのか知りたい人向けです。
利益の種類
公益財団法人 日本食肉消費総合センター 平成22年10月の販売店調査によると、食肉部門全体の粗利益率は25.7%(推定)ほどです。
店で扱う牛肉・豚肉・鶏肉・加工肉などの商品全体を合算した粗利益率となります。
利益には会計上、5種類あります。
ここでは、一般的な精肉店の「①売上総利益」、通称「粗利」について解説していきます。
利益率(粗利益率)とは
粗利益率とは売上に対する粗利益の比率のことです。
粗利益は儲けを表していて、売上から原価を引いた値になります。
粗利益 = 売上 - 原価
例えば、原価200円の商品が300円で売れれば、粗利益は100円です。
商品Aの粗利益が100円、商品Bの粗利益が200円では商品Bの方が粗利益が大きいですが、
商品Aの価格が300円、商品Bの価格が1000円だとすると商品Aの方が粗利益率が大きくなります。
商品Aの粗利益率 100円÷300円×100 ≒ 33%
商品Bの粗利益率 200円÷1000円×100= 20%
このように粗利益率が高い商品に販売力を入れたほうが効率の良い商売ができるということになります。
精肉店の粗利益率
公益財団法人 日本食肉消費総合センター 平成22年10月の販売店調査によると、食肉部門全体の粗利益率は25.7%(推計)となっています。参考URL「http://www.jmi.or.jp/info/survey_files/file2/52.pdf」
肉種別でみると牛肉の粗利益率が低く20%、豚肉が27%、鶏肉が27%となり、
一番粗利益率が高いのは食肉惣菜です。
食肉惣菜は40%以上の粗利益率を出している店舗が19.5%もあるようです。
店舗全体の売上で30%の粗利益率を目標に売価設定を考えるとよいでしょう。
営業利益
営業利益とは、粗利益から経費を引いた金額になります。
営業利益 = 粗利益 ー 経費
公益財団法人 日本食肉消費総合センター 平成22年10月の販売店調査によると、食肉小売店の売り上げは402万円、粗利益率は25.7%となっています。
単純計算すると、
402万円(売上) × 0.257(粗利益率) ≒ 103万円(粗利益)
103万円の粗利益です。
ここから人件費や販管費、水道光熱費といった経費を差し引くことになります。
仮に、
店舗家賃15万円、水光熱費10万円、その他雑費5万円とします。
15万円 + 10万円 + 5万円 = 30万円(経費合計)
103万円(粗利益) ー 30万円(経費合計) = 73万円(営業利益)
営業利益は73万円になります。
もし、粗利益率を30%にすることができたら、
402万円(売上) × 0.3(粗利益率) ≒ 120万円(粗利益)
120万円(粗利益) ー 30万円(経費) = 90万円(営業利益)
営業利益は90万円、差額が17万円になります。
これは、少ないように見えますが粗利益率30%では、57万円売上を上げなければいけない金額です。
本来、売上が上がれば経費も上がるためこのように単純に計算できませんので、あくまでも目安としてお考え下さい。
売上・粗利益を上げるための販売戦略
牛肉の粗利益率は20%程度となっています。
もう少し粗利益率が欲しいということで、豚肉や鶏肉と同じ27%まで上げて売価設定すると、高いイメージになり売れなくなってしまいます。
粗利益率は低いですが、牛肉は単価が高いため売上が大きく伸びます。
豚肉・鶏肉は粗利益率が牛肉より確保しやすいですが、低価格なためいくら販売しても売上が伸びません。
豚肉や鶏肉をたくさん販売するよりも、牛肉の品揃えを充実させ、よりたくさん販売した方が売上を伸ばせます。
しかし、高額な牛肉がそうたくさん売れるわけではありませんので、
売上は牛肉、粗利益は豚肉・鶏肉で補うようにするといいでしょう。
できることなら、食肉惣菜に力を入れて粗利益を確保していきます。
そうして店舗全体で30%以上の粗利益率を目標にします。
粗利益を上げるために、業者へ交渉し仕入れ値を安くする方法もありますが、仕入れ品の品質が下がってしまえば、元も子もなくなります。
スーパーなどのように大量仕入れができれば大幅に仕入れ値が下がるでしょうが、個人の精肉店では下がっても微々たるものでしょう。
まとめ
粗利益率は売上に対する粗利益の比率でした。
平成22年10月の調査では、個人の精肉店の粗利益率は25.7%と低いです。
食肉惣菜の粗利益率が高く設定できるため、精肉だけでなく食肉惣菜を販売し、店舗全体で粗利益率30%以上を目標にしていきましょう。
また原価率が下がれば、利益率が上がります。
すなわち原価率が1%でも下がれば、利益率が1%上がるということです。
たかが1%と思うかもしれませんが、売上が1000万円であれば10万円の利益が上がるということになります。
仕入れ原価だけではなく、利益にかかわる経費(原価)1%下げれば良いということになります。
- 精肉の歩留まり率を少なくする
- 水光熱費・包装代を節約するなど
原価を下げて営業利益を上げることも検討しましょう。
0件のコメント